かめこ
うさみ
柔道一家に生まれた平凡な男子大学生が友人と共に0から男子チアリーディングを作り、文化祭で披露するまでの王道青春ストーリー。原作は朝井リョウさんによる青春小説で、漫画、アニメ、ラジオ、舞台化ののち2019年に実写映画化で公開。
最後はどうなる?『チア男子!!』の結末
取り敢えず、結末だけ知りたい方のために説明すると
ズバリ、文化祭で素晴らしい演技を披露する結末です。
もっともこのジャンルの映画はマイナスの結末になることはないので、
見るべきポイントはチアリーディング経験0の男子たちの成長過程です。
もっと詳細な内容を知りたい方はこのまま読み進めて下さい。
キャスト
- 坂東晴希(横浜流星)・・・愛称“はる”。柔道一家に生まれたが親友・一馬に誘われチアリーディングを始める。
- 橋下一馬(中尾暢樹)・・・愛称“かずま” 晴希の幼馴染で親友。男子チアリーディング部の創設者。
- 徳川翔 (瀬戸利樹)・・・愛称“しょう” 唯一のチア経験者。最初は拒否していたが入部&指導係になる。
- 長谷川弦(岩谷翔吾)・・・愛称“げん” 鈴木総一郎の親友。運動神経が良く友達想いの関西人。
- 鈴木総一郎(菅原健)・・・愛称“いちろう” 長谷川弦の親友。運動神経が良く負けず嫌いな関西人。
- 遠野浩司(小平大智)・・・愛称“トン” 大食漢。運動が苦手だが自分を変えるために頑張る。
- 溝口渉 (浅香航大)・・・愛称“みぞぐち” 大学4年生だがサークル活動をやってみたいと思っていた。
- 坂東晴子(清水くるみ)・・・晴希の姉。柔道が強い。最初は弟晴希のチア活動を良く思ってない。
- 高城さくら(唐田えりか)・・・翔の元チアリーディングメンバー。怪我により車いす生活になっている
- 高城さつき(伊藤歩)・・・さくらのおばで、女子チアリーディング部のコーチをしている
- 小久保萌(山本千尋)・・・命志院大学生徒会長。
スタッフ
- 原作 朝井リョウ『チア男子!!』(集英社文庫刊)
- 監督 風間太樹
- 脚本 登米裕一
- 音楽 野崎良太 & Musilogue
- 主題歌 阿部真央『君の唄(キミノウタ)』 (PONY CANYON)
- 製作 川城和実、三宅容介、岡田美穂、潮田一、木下暢起、菅野信三
- エグゼクティブプロデューサー 濱田健二、大熊一成、吉條英希
- プロデューサー 西川朝子、代情明彦、唯野友歩
- アソシエイトプロデューサー 大﨑紀昌、沖貴子、青木裕子
- 撮影 清川耕史
- 照明 織田誠
- 美術 仲前智治
- 録音 石寺健一
- 編集 加藤ひとみ
- 音響効果 赤澤勇二
- 衣装 馬場恭子、白石妙子
- ヘアメイク 金山貴成、平方さつき
- スクリプター 田村寿美
- キャスティング 杉野剛
- ラインプロデューサー 鶴岡智之
- チアリーディング監修・振付 杢元良輔
- 助監督 長尾くみこ
- 制作担当 柳澤誠
- アシスタントプロデューサー 伴瀬萌
- 配給 バンダイナムコアーツ、ポニーキャニオン
- 制作プロダクション:AOI Pro.
- 製作 LET’S GO BREAKERS PROJECT(バンダイナムコアーツ、ポニーキャニオン、関西テレビ放送、AOI Pro.、集英社、東急レクリエーション)
あらすじ
主人公、坂東晴希は父が運営する坂東道場の長男。
柔道一家で姉の晴子も強く、晴希自身も柔道をやっているが、怪我を理由に積極的に戦っていません。
なぜなら本当は柔道をやりたくないと思っているからです。
やりたいことが見つからず、思い悩んでいる頃、
親友の一馬が同じ大学で男子チアリーディング部を作ったことを知ります。
一馬は“はる、2人で面白いこと始めようぜ!”と晴希を誘います。
2人はさっそく大学で勧誘を始め、4人のメンバーを集めます。
しかし、みんなチアリーディング素人。全くできません。
そこで女子チアリーディング部のコーチから同じ大学に経験者の徳川翔という男の子がいるから彼の力を借りるよう勧められます。
やっとのことで翔を見つけ入部と指導をお願いしますが、断られてしまいます。
なんとか彼に入部したもらうために、他のメンバーは基礎を練習します。
みんなの熱意に負けた翔は入部と指導することを決めます。
はじめは一生懸命練習しますが、怪我をするもの、就職活動をするもの、練習自体に来なくなる者など次第にチームワークが乱れていきます。
しかし、またチームが1つなり、学園祭でパフォーマンスを披露することが決まりました。
ラスト、0から始めたチア初心者が大勢の人の前で感動のパフォーマンスを披露し、物語は終わります。
坂東晴希役!横浜流星の見どころ
- 黒髪ストレート!気弱だけど姉思いで優しい
- 応援の才能!真面目で気持ちが真っ直ぐ
- 爽やか過ぎる笑顔とユニフォーム姿
黒髪ストレート!気弱だけど姉思いで優しい
坂東晴希は命志院大学の1年生。黒髪ストレートでごくごく平凡で物静かな大学生です。
気弱で優しい姉思いの性格ですが、相手を倒す柔道というものに自分が向いていないことをわかっています。
でも、柔道一家の長男だし、姉からのプレッシャーもあるので辞めたいけど辞められないジレンマに悩んでいます。
晴希が大学内を猫背で歩くシーンから始まりますが、晴希の思い悩んでいる表情や暗い雰囲気がとっても伝わってきます。
流星さんは数多くの役を演じられていますが、1つとして同じだなぁと感じさせることがありません。
例えば、落ち着いた学生役として2019年公開映画『いなくなれ、群青』の七草役やTVドラマ「あなたの番です-反撃編-」の大学院生、二階堂忍(どーやん)役などがあります。
晴希も大きなくくりでいえば七草や二階堂忍(どーやん)と同じ部類の人間ですが、それぞれ比較するとやはり全く違う性格や雰囲気の持ち主です。
流星さんは役作りとして髪型から決めたり、役の人物になり切ってその人の人生を生きると言われていますが、過去に演じた役の性格と被らないのは、やはり凄いと思います。
ちなみに綾野剛さんも役作りの一番最初の作業として髪型にこだわると言われていますね。
応援の才能!真面目で気持ちが真っ直ぐ
晴希が一馬に言われて初めて気づいたことがあります。
それは“応援の才能”です。
晴希自身も気付いていませんでしたが、自分事にように応援することで応援されている人は“一緒に戦ってるんだ”っていう気持ちになり、勇気をもらうことができるんですよね。
一馬も晴希の応援のおかげで勝てた試合が沢山あったと言っています。
お姉さんが試合で戦っている時も大きな声で応援したり、溝口が逆立ちで歩く時もあまりに自分事のように応援し、喜ぶから溝口が驚いていましたよね。
一生懸命応援して出来たとき「溝口10歩行けたー!よし」のときの笑顔、可愛すぎます!
晴希はとにかく真面目で気持ちが真っ直ぐの青年。
最初はたどたどしいけど、やりたいことを見つけられている充足感が伝わってきました。
道場に深々と一礼する真摯な勢は演じている流星さんと重なります。
爽やか過ぎる笑顔とユニフォーム姿
言うまでもなく、チアの衣装を着て踊るとチーム、“ブレイカーズ”が爽やか過ぎます。
流星さんの体型がスリムなのでよりユニフォームが引き締まって生えるんですよね。
足のすね毛もない!きれい!おそらく処理されているんだと思いますが、ツルツルです。
流星さんも小顔ですが、同じくらい顔が小さい徳川翔演じる瀬戸利樹さんにも驚きます。
ユニフォーム姿は物語の本当に後半、学園祭で披露するシーンです。
それぞれメンバーのシューズに目標や決意を書いたり、気合を入れ合ったり、“THE 青春”なんですよ!
部活をやっていた人は特に共感できると思います。
記憶に残る!横浜流星さんのお芝居シーン
- 穏やかな晴希に芽生えた強い意志の表現
- 走る!走る!走る!親友との友情
- 感動のラスト!初舞台のパフォーマンス
穏やかな晴希に芽生えた強い意志の表現
普段、とっても穏やかな晴希が4年生になってチアを始めようとした溝口をバカにした先輩に対して意見するシーンです。
晴希はどちらかというと内気な性格ですし、自分の意見を通すタイプじゃありません。
「やりたいと思ったんですよ俺ら、それ信じて挑戦しても良いじゃないですか!」って大きな声を出して反論するシーン、とてもカッコイイです。
晴希の真剣な眼差しが素敵すぎてステキ過ぎて!
晴希のセリフはお姉さんに“中途半端”と言われたことに対する反発でもあったんですよね。
“自分はやりたいんだ!”、“できるんだ!”という強い意志が表情から伝わってきます。
ここの流星さんのかっこいい表情ぜひ見て欲しいです。
病院での涙の友情シーン
一馬がチアをやめると言い出して電話にも出なくなると、晴希は心配になって走って走って走って一馬のおばあちゃんが入院している病院へ駆けつけます。
一馬のおばあちゃんは認知症でしたが、チアのやってる娘(一馬の母)の昔の映像を見て、娘の名前を呼んだんです。
一馬はチアをやることで自分のことも忘れずにいてくれるのではないか?と思っていました。
ですが、そうではなくなってしまい一馬はチアをやる意味を失います。
なので「俺のこと見てくれる人一人もいなくなっちゃった」と自暴自棄になっています。
それに対して晴希は「一人じゃないだろ。てか、俺が居るだろ!」て涙を流して一馬のことを想ってくれます。
ここの流星さんの泣き芝居が美しいんです。
なぜ晴希が涙をしてまで一馬を励ましたのか?というと、チアを始めるきっかけをくれたのは一馬だからですよね?
一馬が「俺はこれ(チア)をやる、晴と一緒に!」「晴、2人で面白いこと始めようぜ!」「晴は応援の才能がある!」と褒めてくれたおかげで、晴希は自分を変えることができました。
その出来事があったからこそ今度は晴希が一馬に「俺がお前とやりたい」「一馬と一緒にチアやりたい」って言います。
臭いくらいの熱い友情なんですが、晴希演じる流星さんと一馬演じる中尾暢樹(まさき)さんお二人の泣き芝居最高です。
ちなみに中尾暢樹さんと流星さんは2019年TVドラマ「あなたの番です反撃編」にて共演しています。
中尾さんは201号室の住人柿沼遼役で、流星さんは304号室二階堂忍役でした。
号泣必至!初舞台のパフォーマンス
はい、このシーンガチパフォーマンスです。
キャストの皆さんは実際に3ヶ月間チアリーディングの練習をして撮影に臨んていらっしゃいます。
だからパフォーマンスシーンは見ている私たちも緊張するし、本当に一生懸命取り組んできた様子が伝わってきます。
おそらく、やり方次第ではプロのパフォーマーを使い撮影することも可能なのでしょうが、チームワークや絆の上に成り立った真剣なパフォーマンスの様は伝わらないと思います。
実は流星さん、収録前日にケガをされ当日は痛み止めを飲んで撮影されたとか。
役者さんが真剣に取り組むからこそ、リアリティが生まれるんですよね。
特にラスト、流星さんが飛ぶところはとってもきれいです。
空手経験があるためか、足がV字に開いています。
私は何回見ても感動して号泣するシーンなのでぜひチェックしてほしいです。
流星群の私が観た!チア男子!!の感想
結論から先にいうと、“一歩踏み出す勇気、背中を押してくれる映画“”です。
溝口がとんに放つ台詞の中に「俺たちに必要なのはドアを開く勇気だと思う。」があります。
一生懸命何かに取り組んでいる人を茶化したり、自分自身も「もう遅い」とか「こんな私がやっても」などやらない理由を見つけて行動しない人は多いと思います。
しかし、人からどう思われようと自分のやりたいことをやり切る人が一番カッコいいです。
この映画ではチアリーディング未経験の普通の大学生達が、人前で大技を披露するまでを描いた物語ですが、仕事とか趣味など自分のケースに置き換えて観るととても勇気が貰える作品になっています。
「チアは見ている人を応援し、勇気を与えるスポーツ」
「誰かの背中を押すことが自分の力になる」
チームワーク、一致団結、仲間への信頼、友情など「THE・青春」の王道です。
私が心に残った一番カッコいい台詞のシーンがあります。
それは横浜流星さん演じる晴希が、お姉さんに学際のチアパフォーマンスを見に来て欲しいと頼むシーンで、
「逃げたわけじゃない 自分で選んだんだ」
「俺、自分がやりたいって気持ち、信じて良かった。チアを選んでよかったって今は自信を持って言えるから」
「俺、姉ちゃんを応援したい、いってきます」
ここです。
柔道一家の長男に生まれ、宿命のように柔道をやって来たけど、なにかピンと来ない。
いったい自分は何がやりたいのか悶々とする中でチアリーディングに出会い、本当に自分がやりたいことを見つけられました。
晴希の清々しくて優しい顔をしているのが物語っています。
あと、この映画でちょっと注目したいのはさくら演じる唐田えりかさんです。
唐田えりかさんと言えば俳優の東出昌大さんとの不倫騒動で注目され、あまり良い印象を抱いてない人も多いですが、
今作『チア男子!!』でのお芝居は素敵です。
徳川翔を入れた“ブレイカーズ”が成立するための重要な役どころです。
ラスト15分は目が離せません。
流星さんを含め7名の役者さんが本気で取り組んだチアのパフォーマンスには号泣します。
爽やか過ぎる真剣な目がカッコいい!
もしこの映画はどんな人、どんな時に見るのがおすすめか?を聞かれたとしたら
ネガティブ思考の人や元気がないときなどです。
私は流星さんに勇気づけられたいときに見てます!